コロナによる影響で日本のみならず世界各国で学校が休校になっていますね。
我が家ではしばらく前に小学生の娘の学校が休校となり、家で自習する生活になりました。
今はすでに学校は再開されていますが、今回はこの休校期間の勉強のさせ方についての話です。
日本の学校のやり方
娘の学校では毎日自習できるように休校になる前日に先生がプリントを用意して生徒に配りました。
学校からは担任の先生から毎日「お子さんの調子はどうですか?」「プリントは進んでますか?」という電話がかかってきました。
「結構ちゃんと面倒見てくれるんだな~」と感心したし感謝もしていました。
でも、その暫く後にオーストラリアの学校のやり方を聞いたらかなりがっかりしてしまったのです。
オーストラリアの学校のやり方
メルボルンにうちと同い年の小学生がいる友人がいるのですが、彼らの学校も休校になり同じように家で勉強することになっていたようです。
オーストラリアの学校の先生たちはどんな教材を用意したのか興味があったので聞いてみたところ、娘の学校とのやり方の違いに驚いてしまいました。
最大の違いは勉強がオンラインでできるようになっていることです。
生徒は基本的にはタブレットを使って絵を描いたり写真を撮ったりしてそれを提出します。
さらに先生たちはそれぞれの科目について自分たちでビデオを撮って配信し、子供がそれを見て学習できるようになっています。
実は、子供の英語学習に良さそうだと思ってその友人にお願いして英語の科目のビデオを毎日送ってもらっていました。
大体10~15分程度のビデオで、担任の先生が単語や発音の仕方などを教えてくれる内容になっています。
個人的にはこのビデオは分かりやすくてとても気に入りました。
英語の勉強をしたい大人が見ても役に立つレベル。
体育の先生も工夫してビデオ配信しているらしいです。
子供は最初は写真の撮り方を始め、色々と使い方に戸惑うので親が手伝ってあげる必要があるようですが、少しするとすぐに慣れて一人で使い始めるそうです。
我が家では子供にタブレットを使い放題にしていますが、こういうことに対する彼らの習得の速さは目を見張るものがあります。
私も妻も使い方など一切教えてないのですが、親が使っているのを見て真似をし、そこからどんどん自分で新しいことを発見していきます。
ただ、今までの授業をオンラインに置き換えるには相当な準備や工夫が必要となることも事実です。
オンライン学習に立ちふさがる壁
先日、公立の学校で授業をオンラインでやることの難しさについて書かれた記事を見つけました。
チャンスなのに…」公立のオンライン授業、普及への壁 [新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタル
有料記事なので途中までしか読めませんが、読める部分だけでも日本の公立校の残念過ぎる実態が分かります。
「全生徒が参加できないと不公平になる」「機材はどうするの」。北海道の公立中に勤める40代の女性教諭は休校中の4月、アプリを使った簡単なオンライン授業ができないかと提案したが、同僚からこう反対され、あきらめざるを得なかった。女性教諭は「生徒に何かをやってあげたいのに、できることから始めることがこんなにも困難なのかと思い知らされた。納得できない思いをしている先生はたくさんいるはず。意欲ある先生の意欲をそがないで」と訴える。
中部地方の小学校教諭も休校が決まった際、動画サイトのライブ機能を使った双方向授業をしたいと申し出たが、学校関係者に「学校の取り組みとしては認められない」「他の先生には使いこなせないから無理でしょう」と止められた。「録画したものを勤務時間外に個人的に発信するなら構わない」とも言われたという。教諭は「できない理由ばかりあげて、最初からやる気がないと感じた。
「できない理由ばかりあげて最初からやる気がない」
まさにその通りですね。
今回のような事態下での授業はオーストラリアの学校の先生たちにとっても初めてなので、試行錯誤しながらのようですが、それでも工夫しながらやり始めるという姿勢には大いに感心させられます。
それに対して、何だかんだ言い訳をして新しいことに挑戦しない日本の先生たちときたら…
オーストラリアの学校の先生たちの爪の垢を煎じて飲んで少しは恥ずかしく感じて欲しいものです。
こんな古いやり方にしがみつくことしかできない人たちが「先生」と呼ばれて子供に教えていて、やる気があって少しでも新しいやり方をしようとする先生たちはその意欲をそがれる…こういう現実を見ると日本の将来は明るくないなと思います。
オーストラリアの学校はどのように「オンライン授業の壁」を解決したか
まず、オンラインの授業には付きものの、「タブレットやパソコンの設備が用意できない家庭はどうするのか?」という問題。
この点ついてオーストラリアの学校ではどのように解決しているのかメルボルンの友人に聞いてみたところ、家計的に苦しかったり、兄弟が多くてタブレットが用意できない家庭に対しては学校が貸し出しているらしいです。
また、タブレットなどのIT機器を子供に使わせたくないという親も当然いるわけですが、そういう家庭に対してもプリントやアルファベットのカードを配ったりしてちゃんと配慮しているそうです。
また、オーストラリアの学校では近年、積極的にIT化を進めてきていたという背景があるのもこの「壁」が低かった要因の一つです。
私の娘がメルボルンの学校に行っていたときは大きなホワイトボード風のタッチディスプレーが教室にあり、それをクラスで利用していました。
毎朝の出欠を取るときにもそのディスプレーが使われていて、先生に呼ばれた生徒が一人ずつそのディスプレーの中に表示されている生徒の名前の中から自分の名前をタッチしていました。
それぞれの生徒の名前の上には蝶々が描かれていて、タッチされた蝶々はくるっと回って違う色になるようになっていて良くできているなとその頃から感心していました。
私たちがメルボルンに居たときはまだ宿題はテキストブックでしたが、友人の子供が行っている学校では来年から宿題の提出がオンラインになる予定で、今回のコロナによって計画が前倒しになったとのことでした。
このように先生も生徒も元々ITを使った教材をクラスに取り入れていたから今回のような事態になっても対応できたわけです。
それに対して日本は未だに旧態依然としたプリント学習。
タッチディスプレーどころか、未だに黒板とチョーク。
今はプログラミングが教科に入ってきているようですが、こんな古いやり方しかできない先生たちにプログラミングなんて教えられるのか甚だ疑問です。
しかも、一人一台のパソコンが用意できている学校はほんの一部という情けない状態。
ただ、日本でも私立の学校は全く違い、かなりIT化が進んでいるようです↓
コロナ休校で広がる“シビアな学習格差”……自習任せの「公立」とオンライン授業の「私立」:時事ドットコム
しかし、メルボルンの友人の子供が通っているのは公立校です。
日本でもオーストラリアでも大多数の子供が通うのはやはり公立校。
オーストラリアの公立校との差には愕然とさせられます。
この教育の差が今の子供が大人になった時にどれだけ出てくるのか、日本が世界と戦える国であり続けられるのか心配になります。
このIT全盛の時代にプリントと黒板だけで教育をしている光景が、先の大戦で精神力と竹槍でアメリカ兵に対抗しようとしていた国民の姿と重なります。
私の娘の学校の先生は毎日電話してくれたりして一生懸命やってくれているとは思います。
でも今回のがっかりな日本の公立校の実態を見せつけられ、私の子供もやはりオーストラリアの学校に行かせたほうがいいのではないかとか色々考えてしまいます。
ところで、上で紹介した記事に出てきた「できない理由ばかりあげて最初からやる気がない」先生たちですが、どこかで聞いたことあるなと思ったら「動いて失敗するのが怖い」「リスクを冒すのが怖い」と言って行動しようとしない人たちの話でした↓
まあ、こんな先生たちに教わって育った子供たちがそういう大人になってしまうのは無理もないことですね。